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日本に住む外国人留学生の問題とは?日本語学校・専門学校の闇を教えます

日本に住む外国人留学生の問題とは?日本語学校・専門学校の闇を教えます
KUNI

どもども。

2022年に入り、やっと外国人の入国緩和がすすんできました。

パンデミックのせいで約2年間もの間、日本に来る予定で足止め状態だった外国人の数は、なんと37万人になります。

その37万人のほとんどは、技能実習生(約11万人)と留学生(約14万人)です。

”技能実習生”に関しては、2021年に発生した「日本人による職場内暴力」というショッキングなニュースで制度の在り方が、さらに問題視されました。

こちらはベトナム人への日常的な虐待が明るみになったひどい映像です。海外からは「現代の奴隷制度」と、日本の評価を落としています。

岡山市内の建設会社で働いていたベトナム人技能実習生の男性が、職場の複数の日本人従業員から、殴る蹴るの暴行を繰り返し受けていました。

男性は「暴力と暴言がひどかったが、なかなか誰にも相談できなかった」「さらに暴力が[jin-iconbox06]ここに本文を入力[/jin-iconbox06]ひどくなるのが怖かった」と話しています。https://t.co/ZIbggYsLKd pic.twitter.com/sC2Xw38LZJ

— BuzzFeed Japan News (@BFJNews) January 25, 2022

みなさん、”外国人留学生”については、どの程度ご存じでしょうか?

日本の事が好きで、日本語を学びたい外国人達でしょ。日本は人気があるから。

実際は全然違います。

今回の記事のテーマは、この”外国人留学生”。

現在、日本では約25万人の外国人留学生がいます。以前、日本語学校で働いた経験もある私が、以下の内容についてお話します。

  • なぜ外国人留学生の数がこんなに増えているのか?
  • 日本語学校・専門学校の闇

個人的に外国人留学生のシステムの方が、技能実習制度より、よほど悪質だと考えています。

外国人留学生や日本語学校に興味のある方に、ぜひ読んでください。

なぜ外国人留学生の数がこんなに増えているのか?

最近、コンビニやファーストフード店で外国人が働いているのをよく見かけませんか?

彼らのほとんどは、留学生です。

これだけ増えたのは、安倍内閣が2008年に発表した「外国人留学生30万人計画」によるもの。ここ10年だけで3倍も増えてます!

外国人留学生と言っても「国費留学生」「私費留学生」の2種類あり、その違いは以下の通りです。

  • 国費留学生・・自国で選ばれた学生で、奨学金をもらっている。
  • 私費留学生・・文字通り、1円の援助もなく来日する留学生。

近年、驚異的なスピードで増えてるのが私費留学生で、外国人留学生の約90%にあたります。

では、『なぜ資金援助もない海外の若者が、日本に留学したがるのか?』というと、海外の留学エージェントや日本の日本語学校が、以下のような宣伝をしているからです。

  • 日本で簡単に就職ができる
  • 授業料は高いが、アルバイトをすれば払える。しかも実家に送金できる余裕もある

他にも「日本の治安は素晴らしい」「日本食は美味しい」のようなお決まりのことを言います。

実際、日本に留学する理由は、『自国では仕事が無いけど日本に行けば仕事ができる』=要するに、お金を稼げる魅力があるからです。

以下の「日本にいる外国人留学生の出身国別順位」表を見るとよくわかります。

1位 中国約11万人
2位 ベトナム約5万人
3位 ネパール約1万8000人
4位 韓国約1万4千人
5位 インドネシア約6000人

5位以下はスリランカ、ミャンマー、バングラディシュと続いていきます。

中国や韓国に限っては、”お金”だけを目的に留学してるわけではありません。両国とも経済レベルは日本と変わらない、もしくはそれ以上です。理由は単純に、日本は近隣国で文化も近く、留学しやすいからでしょう(中国は、田舎出身の方が仕事を求めて来日するケースが多い)。

それ以外の国は失礼ながら発展途上国が多く、ベトナムなどの若者達が日本でチャンスをつかむために来るわけです。

しかし残念ながら、留学後そのまま就職できる外国人留学生は35%だけです。留学生の半分以上が、仕事につけずに帰国しています。

これが「外国人留学生の現状」であり”闇”の部分です。なぜこんなことが発生しているのでしょうか?

日本語学校・専門学校の闇とは?

『日本語学校・専門学校の闇』を各ポイントに分けて説明します。

① 高い授業料と生活費

A、留学にかかる費用

日本に留学するためには、学生ビザを取得する必要があります。そのため主要な要件が、以下の通りです。

  1. N5(日本語能力試験)取得か、現地の語学学校で150時間以上の日本語学習
  2. 出生証明書や卒業証書など、多種の書類を日本語に翻訳して提出
  3. 授業料などを払えなくなった場合に援助できるスポンサーを作る(年収200万円以上)

上記の要件を満たすために、まず自国の日本語学校に入学して150時間のレッスンを受け、留学エージェントに必要書類をそろえてもらいます。

これにかかる費用が国によって違いますが、大体10万円くらいかかります。これが留学前にまず確実にかかるお金です。

B、日本に留学してからかかるお金

次に、日本の日本語学校に支払うお金を用意しなければいけません。これが非常に高額です。だいたいで算出した例が以下の通りです。

  • 1年間の授業用・・約60万円
  • 入学金・・約5万円
  • 学生寮(ドミトリー)・・約3万5千円×最初の2か月分=7万円
  • 行事費・・3万5千円
  • 教材費・・3万円
  • 日本への航空券や持ち物など

合計 約80万円(1年間)。学校によっては、もっと高い場合もあります。

在学期間は1.5年~2年です。なので日本に留学をすると決めた時点で、少なくとも160万円は用意しなければなりません。しかも、これは日本での生活費が含まれてない金額です!

ベトナム人の平均年収は約2万円なので、こんな高額すぐに用意できるわけがありません。しかし留学前に授業料などの支払いを求められるので、留学を考えている人達は親戚やローン会社から借金をするわけです。

留学前にお金の不安を抱える人に対して、海外や日本の日本語学校の人間は、こう言って営業をかけます。『日本でアルバイトすると、払えるだけお金がたまるから大丈夫!」と。

しかし、日本の法律で外国人留学生は1週間28時間までしか働けません。(夏休みなどの長期休暇時は週間40時間)

ということは、1時間・時給1000円と考えて、1か月で稼げるお金は12万円くらいです。

この12万円から家賃、食費、携帯代を支払うと、ほとんど残らないですよね。これが実情であるにも関わらず、こんな大事な情報を事前に説明する日本語学校関係者を見たことありません。

実際に来日してから、ほとんど留学生はこう思うでしょう『想像していた、聞いていたのと違う』と。しかし、時すでに遅しなのです。

②日本語学校のいい加減な進路指導

卒業後は、基本的に専門学校の入学をすすめる

日本に来る留学生には2パターンあります。

  1. 自国で高校を卒業した留学生
  2. 自国の大学を卒業した留学生

前述の通り、ほとんどの留学生の目的は「日本で働いてお金をかせぐこと」。

しかし、外国人が日本で働くためのビザをとるのは大変です。外国人が就労ビザをとるのに必要な要件は以下の通りです。

  • 自国の大学、もしくは日本の大学を卒業している
  • 日本の専門学校を卒業し、就職した企業でする内容に関連性がある
  • N2レベル(読み書きできるレベル)の日本語能力がある
  • 企業からの内定書がある

①の高卒の留学生達は、日本語学校を卒業後には、どれだけ日本語ができても、就労ビザをとるために専門学校か大学に行きます。

問題は②の留学生達です。彼らは自国の大学を卒業してるので、日本語能力と企業の内定さえあれば就労ビザの申請ができます。日本の専門学校などに行く必要はありません。

しかし、日本語学校では現地の大学を卒業してる留学生達に対して、一般的に就職活動のサポートをしようとしません。理由は「進学校だから」とのこと。

借金を返すために、すぐにでも働きたい留学生達の気持ちを考えたら、そんなことは言えないはずですよね。非常に思いやりがない対応です。

もう一つ進学をすすめる理由として「日本語能力が不足してるから」というのもあります。確かに、2年間、日本語学校に行っただけでN2の取得は非常に難しいので、理にかなっています。

しかし、その「2年でN2取得は非常に難しい」という事実を、留学前に説明することはありません。

私は、海外でひらかれた「日本への留学説明会」に参加経験があります。たくさんの日本語学校が来て、自分の学校のメリットを宣伝してましたが、卒業後の進路について詳しく説明してた学校はありませんでした。

海外の留学エージェントのWEBサイトℚ&Aページには、留学を考えている人のこんな質問がありました。

『日本語学校に在籍中に、N1を取得することは可能ですか?』

もちろん可能です!あなたの努力次第で、、

と、頑張れば大丈夫みたいなアンサーをしてますが、実際は、日本語学校在学中にN1をとる生徒なんてほとんどいません。

N1というと”日本人並み”の日本語レベルです。

日本人が外国人を騙すのも最悪ですが、外国人(留学エージェント)が、自分の国の人達を騙しているのも悲しい現実です。

※現在、「特定技能」という新しい就労ビザができました、これならN4レベルの日本語能力(少し会話できる程度)と、技能試験(簡単なペーパーテスト)だけで、ビザ申請ができます。

ただ、特定技能ビザは、基本的に就労期間が5年しかなく、家族帯同ができないので人気がありません。

日本語学校・専門学校、海外留学エージェントの利権構造

なぜ海外留学エージェントは、そこまで適当なことを言って留学生を日本に送り込むのでしょうか?

答えは、もちろん”お金”です。一人の外国人留学生候補を日本語学校に紹介し、学生ビザをとれて日本に行くと、その時点で日本語学校から海外留学エージェントに高額の手数料を支払う仕組みがあるからです。

そして、なぜ日本語学校の進路担当者は「進学しかすすめない」かというと理由は二つです。

  1. 日本語学校の同系列の専門学校に生徒を送り込み、収益をさらに増やすため
  2. 就労サポート担当を、人件費をケチって配置しないから

どこまでも、金、金の儲け主義。そして被害を受けるのは、何も知らされてない外国人の若者です。

③留学生アルバイト事情の闇

2019年に、東京福祉大学で入学した留学生が所在不明になるという、ずさんな管理体制がニュースになりました。

大量の所在不明留学生を出している『東京福祉大学』。
アルバイトのしやすさと合格しやすさを売りにして、ひらがなも分からない留学生から入学金・授業料を集めて3年間で12億円の増収を達成。
なんだこの大学??#ひるおび pic.twitter.com/TodyEXz7wU

— 名前が決まらない (@gokkunsan) March 20, 2019

これは留学生達も真剣にレッスンをする気なんて初めからなく、学校側が利益のために、留学生にアルバイトができる”機会”を提供してる、最低な事例です。

こんなのは氷山の一角で、日本語学校でも同じような現象が発生してます。

例えば

  • 授業中にクラスの8割が寝てるのに、先生が注意もしない
  • アルバイトのやりすぎ(28時間以上)を管理をしていない

もはや学校という形が崩壊してる状態です。

でも留学生も悪いよね。アルバイトばっかりして、レッスン中に寝るなんて

その通りです。

でも、前述したとおり、ほとんどの留学生達は高額の借金をして日本に来てます。”お金を少しでも稼ぎたい”と思うのは当然です。

そして、何が一番悲しいかと言うと、

アルバイトをやりすぎて(オーバーワーク)、ビザが更新できず、帰国する留学生が後を絶たない現実です。

前述した通り、日本の法律では、留学生は週間28時間しかアルバイトはできません。でも、生活苦のために、それ以上の時間働いてしまうのです。

雇う企業側は、留学生を働かせすぎると法律違反になるので、オーバーワーク対策をしっかりしています。しかし、留学生が”アルバイトのかけもち”をした場合はどうしようもありません。

そして、オーバーワークが判明するのは、1年~2年に1回行われるビザ更新時です。なぜなら、ビザの更新時に入国管理局は「預金通帳の提出」を求めるからです。

不自然なお金の流れが発覚して、ビザが更新されず、留学生は帰国するしかないという悲惨な結末を迎えるのです。

また、今、問題になっているのは、”帰国に従わずに、そのまま失踪する留学生”が増えていることです。

日本にいる外国人は、「在留カード」と呼ばれる身分証明書を所持しています。外国人はアルバイトや仕事をする時に、この在留カードを雇い主に提示する必要があります。

しかし、この在留カードを偽造したり、在留カードなしでも仕事をさせる悪質企業が存在するため、失踪する留学生が増加する一方になってます。

留学生も大人なので、自分の責任で行動しなければなりません。しかし、来日したばかりの外国人に自己管理を全て任せるのはいかがなものでしょうか?学校側の生活指導にも問題があるとしか言えません。

私が日本語学校でよく見た光景は生活指導ではなく、先生が授業が終わった後に、学生に連絡し『いつ授業料を払えるのか?』と支払いを催促する姿です。

学校側も一括での支払いを求めると、学生側が払えなかったり失踪することを知ってるので、分割入金を認めています。

そんな”入金の催促の連絡”ばかり受けたら、『もっと働かないと!!』って誰だって思うはずです。なのでオーバーワークが発生するのです。

日本で働くのを夢見てたのに、アルバイトをしすぎてビザが更新できず、自国に泣きながら帰る留学生をたくさん見ました。自業自得だけで片付けてはいけない問題です。

④ 専門学校の闇

2004年をピークに、日本の専門学校の学生数は減少傾向になりました。少子化が進んでるので当然です。

廃校の危機に立たされた専門学校が多い中、救世主になったのが外国人留学生でした。

前述した通り、自国で高卒の留学生のほとんどは、就労ビザの資格を得るために専門学校に行くからです。

「どれくらいの留学生が、日本の専門学校に通っているのか?」という調査が2019年にあり、以下のような驚きの結果になりました。

留学生を受け入れている専門学校は871校。

そのうち、生徒の半数以上を外国人が占める専門学校は195校。さらに90%以上は101校にもなる

ほぼ留学生頼みになってる学校が101校もあるのです。

しかも、そんな専門学校に限って、入学試験は簡単で、面接で名前を言えたら合格にして、学生の数をかせいでいます。

そして入学後は、いい加減な内容のレッスンをしてると聞きました、というか実際に見ました。

その結果、多くの留学生は以下のような悲惨な結末を迎えます。

  1. オーバーワークをして、ビザが更新できず帰国した
  2. 専門学校を卒業しても専門性が身につかず、就労ビザの審査に通らない

日本語学校で2年間、専門学校で2~3年間、合計5年間も日本にいるのにも関わらず、きちんとした就職対策をしてもらえず、結果的に就労ビザがとれず帰国するのです。

こんなに悲しいことはありません。

どうすれば現状から良くなるのか?

以上、外国人留学生をとりまく日本語学校と専門学校の闇を紹介しました。

一つ誤解を招かないよう訂正させて頂くと、日本の全ての日本語学校や専門学校が、この記事のような”人間性のない経営”はしていません。

留学生の目線に立って指導する素晴らしい学校もあるのでしょう。

ただ、留学生からお金をむしり取るような状態が、これ以上続くと、今にとんでもないしっぺ返しがくると想像します。

現在、留学生や技能実習から失踪する外国人は増加の一方です。失踪した外国人は、借金を返済するために、犯罪に走るかもしれません

また、「日本に住む外国人のひどい扱い方」は、ベトナムのSNSやニュースでも報道され、日本の人気はどんどん下がってます。

儲け主義ばかりに走らず、学校と留学生がWIN-WINの状態になるような関係になるのを祈るばかりです。

他にも、日本にいる外国人についての記事があります。ぜひ見てください。

知るべき真実!日本は外国人にとって住みにくい理由(留学生・技能実習生)

日本に住む外国人の知りたい・気になる20の疑問・問題まとめ!2022年版

日本にいる外国人に対してやってはいけないタブー、仲良くなれるマナーとは?

でわでわ

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